第52章 【Desire】24 ゆなゆさまリクエスト
「もう!和也は自分の身体のことだけ考えてればいいの!こっちに来てまで仕事仕事…いい加減にしてよ!」
「翔…そんなこと言ったって…」
「せっかく数値も安定してきたんだから、絶対にだめだからね!本土には帰らせないから!」
「翔ぉ…」
バタバタと水場に行くと、マグカップをガシャガシャ洗い出した。
簡単な飲み物くらいはここで作れるようにはしてあるし、お湯も沸かせるからカップラーメンくらいならここで食べられる。
だけど、肝臓にわるいからって一切そういうものは食べさせてもらえなかった。
もちろんお酒もNG。
「あ~あ…泡盛飲みたいなあ…」
「むきー!」
備え付けの冷蔵庫から、ボトルを出してきて俺の前にドンと置いた。
生搾りパイナップルジュース…
宿の女将さんが、特別に俺たちに差し入れしてくれた本物の果肉を絞って作ったパイナップルジュースだ。
「和也にはパイナップルジュースで充分!」
「しょお…」
「パイナップルには酵素が入っててねえ…」
「わかった…わかったよ…何回も聞いたよ」
「あっ…ちょっと今、うぜえなって思ったでしょ」
「思ってないよ…」
「じゃあなんで目を逸らすの!?」
「んだー!おまえの顔見てたらムラムラするからだろ!」
「えっ…」