• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第50章 【Desire】22 チャコさまリクエスト





鮮烈だった―――



彼がこの屋敷に来た日のことを、忘れることはできない。
大きな瞳に、桜色の頬。
燃えるような赤の唇はふっくらとして…


こんなに美しい人間がいるのか


息をすることも忘れて見つめた。

フットマンとして15歳でこの屋敷にやってきた。
だが、旦那様の意向で見込みのありそうな者は、然るべき学校に通いながら働くことになっている。

彼もまた、優秀な成績で中学を卒業し、高校へ通いながら屋敷で働くことになった。

夢のような日々だった

少年から大人の男になっていくのを、眩しい思いで眺めていた。


この思いが…一体何なのか…

あの日までわからなかった。

いや、わかっていたのかもしれない
だが、認めることができなかった



彼の部屋で絡み合う二人を見てしまったあの日



何かが、自分の中で崩れ去っていくのがわかった



そう…あの日から…



私は鬼になったのだ



眠る櫻井の髪を静かに撫でる。
苦悶に満ちた顔を眺めながら、笑い出すのを堪えるのに精一杯だった。

「おまえの大事な物…なくなっちゃったね…」

その大事なものを奪ったのは…

この私…

「もっと…堕ちればいい…」






私を裏切ったおまえを許しはしない

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp