第44章 【Desire】16 Miさまリクエスト
眼鏡の奥の目は、榛色。
いつも潤んでるみたいな目で、くるんとまつげが上がってて。
唇はさくらんぼみたいにつやつやしてる。
吸い込まれるように、その唇にキスをした。
「おっ…大野っ…」
離れていこうとする腕を掴んだ。
その腕の皮膚の温かさ。
吸い付くようなすべすべの肌。
逃げようとする身体を壁に押し付けて、またキスをした。
「…やめなさい…」
消え入りそうな小さな声。
「先生…」
何かが突き上がってきて止まらなかった。
「どうしよう…」
「え…?」
「俺、止まんない…」
「ちょっ…やめてっ…」
先生の首筋に吸い付いて、身体を押し付けた。
「やっ…ほんと、お願い…やめて…」
絞り出すような声が余計に俺を煽った。
またキスをしようとして、顔を背けられた。
「やめなさいっ…」
「せんせ…」
「大野っ…」
「好きなんだっ…」
先生の動きが止まった。
「俺…先生のことが…ずっと…好きなんだ…」
「え…うそ…?」
「嘘じゃないよ…」
「だって、俺、男ですよ…?」
「わかってるよ!そんなこと…」
まじまじと先生は俺の顔を見た。
「大野…病院いこう?」
「は?」
「この前、体育で頭打ったって言ってましたよね…きっと打ちどころが…」
「も~!違うってば!だからずっと好きなんだってば!」