第44章 【Desire】16 Miさまリクエスト
放課後、部活に行くため廊下を歩いていたら、二宮先生の後ろ姿が見えた。
なんだかフラフラしてる。
「二宮先生!」
「あ、大野…」
重そうな段ボール箱を持っていた。
「俺、手伝うよ」
「いや、いいから…部活いってください」
ぼそぼそ喋るのもまたかわいらしい。
「いいよ。ほら」
無理やり一緒に持つと、ちょっとほっとした顔をした。
またこれもかわいい。
えっちらおっちらと二人で荷物を倉庫まで運んだ。
「重かったなあ…これ、中身なに?」
「んー…使わなくなった実験器具とかですかね…」
「そっか」
どうやら、ダンボールをしまう場所がないみたくて。
先生は棚の整理を始めた。
「大野、もういいから部活行ってください」
「うん…」
遠くで野球部の練習してる声が聞こえる。
この校舎は、あんまり使ってない校舎だからとても静かで。
「…どうしたんですか…?」
白衣が邪魔になったのか、脱いでダンボールの上に置いた。
シャツの袖のボタンを外すと、まくり上げた。
その腕の内側は、女みたいに真っ白だった。
「…大野?」
なんだか猛烈にムラムラした。
「体調でも悪いんですか…?大丈夫…?」
先生は俺の顔を覗き込んできた。