第43章 【Desire】15 うさこさまリクエスト
「な、なんでもない」
ぼくを裸にしてしまうと、ご主人さまはあんまりぼくのこと見てくれなくなる。
ずっと目を逸らしてる。
「ねえ、こっちみて?」
「えっ?」
ぐいっと無理やりご主人さまの顔をこちらに向ける。
濃い顔がますます真っ赤になった。
なんでかわからなかったから、とりあえず白い尻尾で顔をなでなでしておいた。
「おねつ?」
「ち、違うから!」
ぼすっとぼくの頭に手を置くと、ご主人さまはお風呂にはいっていく。
「まって!」
慌てて追いかけて入ると、ご主人さまはぼくの身体をシャワーで洗い流してくれる。
「ほら、耳閉じて?」
「はあい」
頭の上に手を載せて耳を閉じていると、じゃぶじゃぶとご主人さまは僕を洗ってくれる。
「翔のご先祖様は、白猫なんだな」
「にゃ?」
「残ってる耳としっぽ。真っ白だし…」
しっぽをつつっと撫でられた。
「にゃふっ…」
「えっ!?どうした?」
身体がびりびりっと痺れたようになった。
「わ。わかんな…」
「ごめん…しっぽがだめだったのかな…」
ご主人さまはしゅんとしちゃった。
「ううん…嫌じゃないの」
「翔…」
「なんかね…ぞわぞわしたの…」