第40章 【Desire】12 みゆさまリクエスト
潤と俺は兄弟だけど、血は繋がってない。
親同士が再婚で。
俺が中学、潤が小学生のときに家族になった。
俺が大学に進学すると同時に、親父の転勤で両親は海外に行ってしまった。
今は潤とふたりきりで生活をしている。
ホントは潤も連れて行きたかったみたいなんだけど…
その時、潤は泣いて嫌がって。
なんでかって…
もうその時すでに俺たちは…
俺もなんとか親父たちを説得して、晴れて俺と潤は二人暮らしをゲットしたのだった。
親には言えないけど…でも、今俺達はラブラブ真っ盛り。
まるで新婚生活みたいなことをしている。
「翔にい…」
「ん?どした?潤」
「晩御飯、なにが食べたい?」
「えっ…いいよ。おまえ、熱あるんだから」
「だめだよ…」
「なんで?」
「だって翔にいがご飯つくったら、泥棒が入ったみたいになるんだもん…」
「……」
言っておくが、俺の得意料理は麦茶だ。
「簡単なものでいい…おまえ、熱あるからおじやとか雑炊とか…そんなんにしよ?俺も手伝うし」
「わかった…じゃあちょっと眠ったら作るから」
「うん…その間に洗濯しておくから、シャツ出せよ?」
「ありがとう…翔にい…」
またきゅっと潤は抱きついて…
すごく、しあわせだ。