第4章 185階の家
「はい。いいよ」
そう言って俺のバスローブの肩を軽く押した。
「もう、飯できてるよ。着替えてきなよ」
「うん…」
寝室に入って着替えてくると、ゲーム用のテレビの前のテーブルに夜食が並んでる。
「まつざかうし、めっちゃ美味そう!」
相葉さんがうきうきで俺を手招きする。
ハイチェアに二人で腰掛けながら、夜食を食べ始める。
相葉さんは勝手に大きいテレビをつけて、番組チェックをしてる。
「あ、この子…」
テレビには可愛いアイドルの女の子が映ってた。
「俺さあ、この前いきなりこの子にファンですって言われてさあ…」
自慢気に俺の顔を見ると、ふふんと笑った。
「羨ましいだろ~」
「べっつに…」
正直、今は彼女とかめんどくさくて要らないって思ってる。
女なんて面倒くさい。
今は、一人で居るほうが楽しい。
なのに相葉さんは俺にしつこいくらい、羨ましいと言わせたがる。
「だからぁ…俺、今、女なんかいらないの。面倒くさい…」
「お前さあ、そんなこと言ってたら、ホモと間違われるよ」
「ホモは…」
あんたでしょって言いかけて、慌てて引っ込めた。
「別にいいもん。ホモでも…」
「はあ?」