第4章 185階の家
「いっ…いいからっ…こないでっ…」
思わず口をついて出てしまった。
「え…?」
凄く傷ついた顔をして、相葉さんがこっちを見てる。
まだ髪が濡れてて、雫が落ちてる。
バスローブの間から見える褐色の肌に、心臓が飛び出るかと思うほどドキっとした。
「え…ナニコレ…」
ぎゅうっと胸を押さえる。
なんで、どきどきしてんの…?
「ニノどうしたの!?心臓おかしいの!?」
「えっ…」
相葉さんがずかずか台所に入ってきて、俺の肩を掴む。
「胸が苦しいの!?痛いの!?」
ちょっと待て…それ以上近寄るな…
「ああ…どうしよう…病院…」
「ちっ…違うからっ!あんたのせいじゃない!」
「えっ…俺のせいなの!?」
「もっ、もう知らないっ。風呂入ってくる!」
「あっ…ニノっ…」
相葉さんの腕を振り切って、一気に風呂まで走る。
扉を締めると、床にへたり込んだ。
「な、なんでよ…俺、おかしいんじゃないの…?」
そのまま服を脱ぎ捨てて、俺は浴室に入った。
ドボンと浴槽に飛び込むと、頭までお湯に浸かった。
「相葉さんのばか…」
頭のなか、オーバーヒートしてる…
もう何から考えていいのかわからないよ…