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ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第35章 【Desire】7 チェックさまリクエスト


松本side

その日は、ちょっと朝から気分が悪かった。

駅で電車を降りたら、うちの学校の生徒が大量に改札に向かう。
その流れに乗って歩いていたんだけど、だんだん吐き気が増してきて。

トイレに行って吐いてしまおうかと思ったんだけど、彼の後ろ姿が見えた。

ブレザーにグレーのマフラーをして…
この寒いのにコートも着ていない。
男バスの大きな部バッグを肩から斜めがけに下げて、寒そうに歩いてる。

こんな偶然なかった。

いつも朝練で、同じ電車になることはない。
今日は寝坊したのかな…
それとも朝練ないのかな…

そんなことを思いながら、ふらふらと後をついていった。

学校まではゆっくり歩いて10分もかからない距離。
生徒玄関までの至福の時間だった。

彼の姿が2年の下足箱の方に消えて、俺も1年の下足箱に向かった。
校内履きを取り出そうとした瞬間、めまいがして立っていられなかった。

下足箱に寄りかかって、その波が過ぎるのを待っていると、手首を掴まれた。

「松本、大丈夫か?」

彼が…マフラーに顔を半分埋めながら、俺を見ていた。

なんで…俺の名前、知ってるんだろう…

部活の後輩でもなければ、中学の後輩でもないのに…

「保健室、行こう?」

そう言って優しく俺の肩を抱いてくれた。

保健室に着くと、ベッドに寝かせてくれて。

「先生呼んでくるから、待ってな」

そう言って、彼は部屋を出ていった。
そのまま、養護教諭が来て一通り面倒をみてくれると、今日は外部で会議があるとかで、保健室を出ていった。

気分が良くなったら帰るように言われて、そのままベッドでうつらうつらしていた。

突然、すぐ横のカーテンが開いた。

びくりと目を開けると、そこには彼が居た。

じっと俺を見下ろす目は、なんだか熱い。

彼はブレザーを脱ぎ捨てると、ベッドに強引に入ってきた。

「え…ちょ、待って…」
「いいだろ?」
「え…まって…お願い…」
「おまえが欲しいんだよ」



その甘い声が脳に響いて…
動けなかった

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