第35章 【Desire】7 チェックさまリクエスト
二宮side
先輩は、いつも学食で昼飯を食う。
いつも決まった時間に来て、決まった席に座る。
だから俺も、いつもその席の近くに座れるよう、早めに学食に来る。
Aセットをすばやく頼んでお目当ての席に着くと、先輩が友達と一緒に入ってきた。
「かー!今日のCセット見た?唐揚げだぜー!」
先輩の声だけ、よく聞こえてくる。
ガヤガヤと楽しそうに喋りながら、先輩は俺の居る席のひとつ向こうのテーブルに友達と座る。
…今俺がいる席からは、先輩がよく見えるんだ…
Aセットを食べながら、美味しそうに唐揚げを頬張る先輩を見てるのが好きだ。
先輩は友達と食べているから、いつも俺よりも遅い。
Aセットを食べ終わると、すぐに食器を下げて屋上に向かった。
屋上は立入禁止だけど、その入り口の前はぽっかりと広い空間があって。
ほこりっぽいのさえ我慢すれば、格好のサボりスポットだ。
無造作に積み上げてある机と椅子をくぐり抜けて壁際までいくと、ズボンを脱いだ。
そのまま下着の中に手を入れると、ゆっくりと自分を握り込んだ。
「あ…先輩…先輩…」
誰か来ても、机と椅子でここは見えない。
じっとしていればやり過ごせた。
だから俺は、今日も安心してたのに…
「先輩って、俺のこと?」
突然聞こえた声に目を開けると、逆光の中、見慣れたシルエットが見えた。
「あ…」
「いつも、食堂で俺のことみてから、こんなことしてたわけ?」
「ち…違います…」
「ちがわねーだろ…いつもあんな目で俺のこと見てさ…」
ふっと笑うと、俺の目の前に立った。
「シてやろうか?」
「え…」
「おまえのしてほしいこと、今ならシてやるよ…」
「や…やめて…」
「ふーん?じゃ、俺がシてほしいこと、してよ?」
「な、なんですか…?」
先輩は、ベルトを外すとボタンを外してファスナーを下げた。
「しゃぶれ」
めまいが、した。