第34章 【Desire】6 はりん燈汰さまリクエスト
「俺が好きなのも…潤だけだよ…?」
「翔…」
ぎゅううっと潤が俺のこと、抱きしめる。
「初めて会ったときから…俺は翔のことしかみえてないよ…」
「俺だって…おまえが店に来たとき、奇跡かと思ったんだから…」
「え…?」
「俺の理想の男が…眼の前に居るって…ほんとにそう思ったんだ…」
「翔っ…」
「潤っ…」
そう。
俺達は…恋人同士。
バラバラに店を出て、適当にアフターをこなしたら、帰ってくる場所は一つ。
もちろんお互いのことを考えて、枕なんかしない。
俺達は、一年前に出会ってから…他の誰とも身体を重ねるなんてこと、してないんだ。
それに、枕なんかしなくても俺たちは十分稼げてたからね…
こうやって帰ってきたら、絶対にケンカしてしまう。
でもこれは、俺達の儀式みたいなもので…
ストレス発散なんだ。
もうすぐ…お金が貯まったら、二人で店を出て…
田舎でカフェでもやろう。
それだけを目標に、俺達は頑張ってるんだ。
「翔…ごめんな…」
「こっちこそ…ごめんね?潤…」
目を閉じると、ふんわりと潤の柔らかい唇が重なる。
仲直りのキス…
これだけで、俺達は恋人同士に戻れる。
ここからは…俺達だけの甘い時間…