第34章 【Desire】6 はりん燈汰さまリクエスト
ガタンと玄関を蹴る音がする。
「おいっ…翔っ…」
こっちだって、今日はあんなに鼻の下を伸ばした潤を見たから、返事なんかしてやらないんだ。
「てめえ、居るんじゃねえかよ!なんで返事しねえんだよ!?」
「あ!?知るかよ。鼻の下伸ばしただらしねえ顔のやつなんかに、返事なんかしたくないね!」
「誰のことだよ…ふざけんのも大概にしろよ!?」
「おまえのことだよ!松本潤!」
びしっと顔を指差してやると、潤は慌てて鼻の下をこすった。
「ひ、人のこと言えるのかよ!大体なんだよ、あの智子ってお嬢…あいつ翔に顔を近づけ過ぎなんだよ!」
「ああ!?おまえだってなんだよ、あの雅子って看護婦!あいつ、検査だとかいっておまえの身体触り過ぎなんだよ!」
「もう智子の指名なんか断れよ!なんであんなに顔を近づけさすんだよ!金のためにキスでもするつもりかよ!?」
「ああん!?おまえこそ、雅子の指名断れよ!あんなに身体触らせて、売上のためにセックスでもするつもりかよ!?」
ぐぬぬと詰まった潤は、ソファに座る俺の身体を座面に押し倒した。
「俺がセックスしたいのは…翔だけだよ…」
「潤…」
途端に切ない顔になって、子供みたい…