第28章 number00
その日は突然やってきた。
ショウが来て4年目…
ある雪の日だった。
「ショウ…?」
いつものように充電器に座り込んだショウは、いつまで経っても動かなかった。
「ショウ…?ねえ…どうしたの…?」
頬に触れると、ほんのりと温かかった。
「なにか喋って…?ショウ…」
脳裏に二宮の言葉が浮かんだ。
”保証期間は三年…それ以降は動作は保証できませんからね”
「嫌…いやだっ…ショウっ…!」
いつものように「かわいい」って言えよ
いつもみたいに俺のこと抱きしめてくれよ
肩を持って揺さぶってみても、ショウは目を開けなかった。
「ショウっ…」
ぼたぼたと勝手に涙が溢れてきた。
「嫌だっ…ショウっ…起きてっ…」
ショウは…完全に停止した―――
「ショウ…ショウ…」
一晩中、冷たくなった身体を抱きしめて泣いた。
こんなにもショウが動かないことが悲しいことだと思わなかった。
いつかはくる別れだとわかってた。
だってショウはアンドロイド…
でも…
俺は…
「ショウ…」
明け方、涙も枯れてただショウを抱きしめていた。
その時不意に、俺の脳裏に浮かんだ言葉。
「好きだよ…ショウ…」
おまえのことが、好きだよ…