第28章 number00
ショウの言うとおり、後ろから抱きしめられているとなんだか落ち着いた。
ショウの体温が、なんだか酷く安心した。
「…智、緊張が緩みました」
「うん…」
「かわいい…」
「えっ…」
「智は男だと認識してるけど、たまに女の子みたいにかわいい時がある」
「なっ…ふざけんな!ショウ!」
腕を振り切ろうともがいたけど、離してくれない。
「こうやって照れてる智も…ニッコリ笑う智も…かわいい」
「や、やめろってば…」
もがいても解けないから、諦めた。
じっとしてると、ショウの腕に力が入った。
「智…」
「なんだよ…」
「充電切れる…」
「えっ…」
慌てて充電器のところまで連れて行くと、ショウは自らそこに座り込んで充電が開始された。
その間、目を閉じてまるで眠ってるみたいになる。
「はあ…やっぱ、アンドロイドだよなあ…」
こうやって機械だってわかる瞬間があるからいいけど…
普段のショウは、本当に出来が良くて人間と見た目が変わらない。
だからつい、忘れてしまいそうになる…
ショウの行動も、言葉も
全部、プログラミングされたものだって…
なんだか、涙が滲んだ。