第28章 number00
なんで…引き受けちゃったんだろ…
今、彼女は居ない。
教師になってから、学生時代の友達とは少し疎遠になってた。
ずっと学校しか知らない俺は、社会人になっていった友達とは、ちょっとした溝を感じていた。
売上が…企画が…
そんな話、俺にはわからない。
学生の頃は美術大学だっただけあって、造形や絵画のことを熱く語り合ったものだけど…
就職してしまった奴らは、10年以上経った今じゃそんな話も興味がないみたくて…
孤独を感じていたといったら、言い過ぎだけど…
傍に、誰かいてほしかったんだ…
「おかえりなさい。智」
家に帰ると、ショウが微笑んで出迎えてくれる。
朝は飛び切りの笑顔だけど、夜は夜モードに入るらしく、笑顔も微笑になる。
「…なにか?」
「えっ…いや…」
来たとき、あんまりショウの顔が綺麗でびっくりした。
そりゃそうか…
女性が抱かれたいって思う顔じゃないとだめだもんな…
「お風呂の準備も、食事の準備も整っています」
「ああ、ありがとう」
ショウは実に優秀だった。
家事は一度俺が教えたら、きっちりとその通りにやる。
時間配分なんかもきっちりしていて、俺が帰る時刻には一日の家事はきっちりと終わっているのだ。