第28章 number00
「男性モデルのアンドロイドの需要は…かなりありそうなんです」
「へえ…そらまたなんで…?」
家事とか介護なら、女性モデルがいいだろう。
男性モデルをわざわざ作る理由がよくわからない。
「そりゃ…女性からの需要です」
「は?女が家事してもらうわけ?」
「いえ…そうではなく…」
二宮はぐっと手をグーに握った。
握った人差し指と中指の間から、親指をチラッと出した。
「ああ…そういうこと…」
「女性には…風俗ないですからねえ…だから家でそういう処理ができたら、便利だと思いません?」
「しょ、処理って…」
まあ男は、金さえ払えばいくらでも処理ってやつをしてくれる場所がある。
でも女性はそうはいかない。
「まあ今回のモデルには、そういった機能はオフにしてありますので、男性として不自然ではないかどうか…そういうのを見極めていただきたい、といったところが本音です」
「はあ…」
まあ、体のいい実験台ってとこだな…
でも所有権もきっちりと俺になるらしく、三年たったら売却も自由にしてもいいとのことだった。
それまでのメンテもすべて無償でやってくれるし…
本当に三年間は無料でモニターだけしてくれればOKとのことなので、俺は引き受けることにした。
二宮はウハウハして帰っていった。
それが、一週間前…