第24章 BOY【N side】 EP.3
智と副社長二人がかりで、俺のこと拭いてバスローブを着せてくれた。
そのままさっきの寝室に連れて行かれると、二人は俺を挟んで横になった。
「さ、寝ようか…」
智が腕枕してくれて…
そしたら後ろから、副社長が俺を抱きしめて。
三人でぎゅっとくっついて、眠った。
もうなにも考えられなくて…
睡魔に襲われていた俺は、人肌に挟まれて安心して眠りに落ちていった。
翌日、起きると家まで送って貰った。
夜になって事務所に電話すると、正式にアテナから俺を雇うと連絡があったとのことだった。
明日から、出勤してほしいとのことで…
「あれ…?俺、ビデオ出るのかな…」
とりあえず、ヒュアキントスにおいてあった荷物を取りに行った。
「あれ、どうしたの?」
「荷物。とりあえずね」
「ああ…後で送ったのに」
「いいよ。暇だったから」
藤ヶ谷くんはなんだかニコニコしてる。
「…よかったね。二宮くん」
「え?」
「ううん。アテナ行ったら、きっと大丈夫だからさ」
「…なんか、知ってんの?」
「ううん…でも、今まで雇われてった男の子たち、みんなしあわせそうにしてるからさ…良かったなって思って」
なんか誤魔化された気もするけど、礼を言って俺は事務所を後にした。