第24章 BOY【N side】 EP.3
目を覚ますと、俺は誰かに抱かれていた。
「え…?」
副社長が俺を抱きしめて湯船に浸かってた。
「ふふ…目が覚めた?」
「あ…ご、ごめんなさい。俺…」
「いいって。気持ちよかったんでしょ?」
「え…うん…」
「凄いね」
「…何が?」
「社長が本気になったの久しぶりだよ」
「え…?」
ゆっくりゆっくりと副社長は俺の身体を撫でてくれた。
「こんなにかわいいもん…無理ないよ…」
「え…あの…」
「社長がやるって言わなきゃ…俺が抱いたのに…」
「え…?」
副社長の顔が近づいてきて、キスをされた。
「あ…」
「智には、ナイショね…?」
そう言うと、何度も何度も副社長は俺にキスをした。
この人…ネコじゃなかったのか…
俺の勘、鈍ったかな…
「こら、雅紀」
浴室のドアが開いて、智が顔を出した。
「和也がのぼせんだろ。早く出ろ」
「わぁったよ…もう…」
俺の身体を抱き直すと、副社長は軽々と俺を持ち上げた。
「掴まっててね」
優しい声が俺の耳に響く。
なんだか安心して…身体の力が抜けてしまった。
「ほんとに…かわいい…」
小さな声は、くすぐったくて…
首をすくめていると、身体を優しく抱きしめられた。