第24章 BOY【N side】 EP.3
俺の相手は、社長だった。
バスローブ姿でニコニコ笑ってる。
俺も先にシャワーさせてもらって、バスローブ姿でベッドに座ってる。
つかこいつもゲイだったのか…
見抜けなかった。
「えーっと…普通こういうのって、部下がやるんじゃないの?」
「まあまあ。あ、ちゃんと今日のお代払うからね?」
「えっ…いいのに」
「いやいや…こういうことはちゃんとしないとね。二宮くんの”商売”なんでしょ?」
「そうだけど…」
副社長はベッドの準備をしたら出ていった。
やっぱネコだから俺のこと抱けないのかな。
もしかして社長とデキてる?
じゃあ見たくもないか…
「注文、つけてもいい?」
「え?どうぞ…」
なんだろ…きわどいことやらされんのかな…
「自然体でいて?」
「え?」
「商売っ気出さなくていいからさ。感じたまま…ね?」
「え…いいの?」
「うん」
にっこりと笑って社長は俺を抱き寄せた。
風呂に入ったばかりだから、ボディソープの匂いがふんわりとした。
「二宮くんの…素顔がみたい」
俺の…素顔…
って、どんなだっけ…
もう二年以上こんな商売してるから、素のセックスなんてどんなだったか忘れちゃった…
「うまく…できるかなあ…」
不安になって思わず呟いたら、社長はくすっと笑った。
「上手くしなくていい」
ふにゃんと笑ったかと思うと、すぐに真顔になった。
「普通にセックス、しよ?」
ずくんと、身体の奥が疼いた。