第24章 BOY【N side】 EP.3
「…金が、要るの?」
「はい。親が事業に失敗して、ウチ、借金まみれなんですよ」
こういうことは先に言っておいたほうがいいかなと思った。
話してみたら、いい人たちそうだし…
客じゃないんだから。ビジネスなんだから。
もしかして迷惑かけることもあるかもしれないし。
「それを…二宮くんが返してるの?」
「まあ…手伝ってます」
親も必死に働いてる。
だけどおっつけないくらいの借金があった。
俺が身体で稼いだ金は、すぐに右から左。
だけど、返さないとね。
「もしかしてさ、二宮くんてノンケなの?」
副社長が恐る恐る聞いてきた。
「え?」
「金のために、無理やり男と寝てるの?」
最初は…そうだった。
毎日毎日くる借金の取り立て。
ヤクザみたいな人が、脅しにくる。
でもないものはないから、親も追い返せなくて毎日泣いてた。
そんな時、目に入った広告。
電信柱にベタベタ貼られた紙のなかにヒュアキントスの募集広告があったんだ。
とにかく給料が目玉が飛び出るほど良かった。
騙されても、もうなくすものはない。
俺は自らこの世界に飛び込んできた。
幸いヒュアキントスはオーナーが美少年大好きなヤー公だから、従業員には酷いことしない人で、本当に助かった。
主に酷いことは客にされたんだよね。
「最初は…そうですね。嫌だったけど…」
「けど?」
「でも、俺、結構楽しんでますよ」