第24章 BOY【N side】 EP.3
「まあ、こんなところかな…ちょっと休憩しよっか」
「はあ…」
もうかよ。まだ15分しか経ってないぞ。
副社長がいうと、社長は助かったって顔をして伸びをした。
「でもいいね…スレた感じしない。こういう商売やってる子ってスレてる子多いんだけどね」
「そりゃ、どうも」
童顔だからね。
俺はそれをよくわかってる。
スレた雰囲気は、時には便利だけど。
商売はそうじゃないほうがうまくいくから。
「中身は擦り切れてますよ」
そう言うと、社長も副社長も微妙な顔をした。
「だって、こんな商売ですよ?擦り切れてないとやってらんないっすよ」
「そっか…」
社長は、なんだか寂しそうな顔をした。
「…二宮くんはいくつなの?」
「ああ…18です」
「わ…まだ高校生だ?」
「ええ。でもこういうのは18歳なら大丈夫なんでしょ?」
「まあね。でも学校とか大丈夫なの?」
「問題ないです」
ここにくるまでは迷ってたけど。
俺の心はもう決まってた。
売り専を卒業してもいいと思ってた。
それよりは金になりそうだったし。
「ギャラは一括でもらえるんですか?」
「うん。それもできるけど、普通は…」
「じゃあ、すぐにでも契約してください」
「えっ。いいの?」
「まとまった金が要るんで」
今月の支払い期限は、もうすぐそこに来てた。
だけど、まだ金がまとまって用意できてなかった。