第24章 BOY【N side】 EP.3
「ふうん…ギャラは?」
「ふふ…交渉してみてよ。そういうの二宮くん得意でしょ?」
「いいの?ここの取り分なくなるけど」
冗談めかして言ってみたら、藤ヶ谷くんは微笑んだ。
「うん…なんかね、二宮くんさえOKなら、こことの契約は解除して、そっちとの専属になるから」
「は?」
「先方がね。そう言ってるの」
へえ…えらい俺のこと買ってくれてるじゃん…
「まあさ、詳しい話は今日行って聞いてみてよ」
「わかった」
「決めるのはそれからでも遅くないからさ」
「ああ…」
イメージビデオかあ…
「ねえ、アテナって会社のビデオ見たことある?」
送迎のあんちゃんに聞いてみたら、ノリノリで答えが返ってきた。
「あらあ!ニノちゃんアテナのビデオ見たことあるの?」
「いいや…ないんだけどさ。今日行くのってそこなんだろ?」
「そうなのよおっ…でもどうしよう。ニノちゃんがビデオでたら、おちんちん扱けなくなるわ…」
「へ?」
「だあってえ…知り合いがビデオ出てると萎えない?」
「おりゃあ…そんなにデリケートじゃないもんでね…」
このオカマの運転手のにいちゃんは、お下品だがナイーブでガラスのハートを持っている、所謂、扱いにくいゲイだ。
「でもアテナのビデオは、マジで抜けるわよ」
「ふうん…」