第24章 BOY【N side】 EP.3
「わ、まじで…?かわいいね」
わかってるよそんなこと。
今日も俺は身体を売る。
これが俺の商売だもん。
「ねえ、優しくしてね…?」
そう言ってやれば、多少乱暴なことは減る。
これは知恵だ。
俺は商品だからね。
傷がついちゃ、商品価値が下がっちゃうから。
「あん…すごい…おっきいよおっ…こんなの初めて…」
こう言ってやれば、大抵の男は喜ぶんだ。
単純だよ…
たんしょーほーけーのくせに。
「また会いたいな…ね。指名してくれる?」
こう言えば、大抵またリピートしてくれる。
俺の天才的な営業力のお陰で、俺は毎日指名ナンバーワンの売れっ子売り専ボーイをしていた。
「今日は新規ね」
「えー…新しい客ぅ?」
藤ヶ谷くんが部屋に入ってくる。
売れっ子だから、他の売り専ボーイくんたちと別の部屋で待機してる。
「まあまあ、そんなに悪い話じゃないからさ」
まだ藤ヶ谷くんは十代で。
なんでこんな仕事してんだろ。
チンピラ崩れしてたっていうから、相当昔はトガってたんだろうけど…
「イメージビデオ、出てみない?」
「はあ?」
「まだできたばっかの制作会社だからさ、二宮くんだったらすぐにナンバーワンになれると思うけどね」