第22章 BOY【S side】 EP.1
「ストーップ!ここからは僕が預かります」
そう言って割り込んできたのは、カズと呼ばれてた小柄な男性だ。
「初めまして。自己紹介まだだったね。僕、二宮和也っての。カズとかニノって呼ばれてるんだ」
「あ…ああ…俺は、櫻井翔っていいます…」
「よろしくね!俺、アルバイトだけど、現場のチーフやってっから」
「そ、そう…」
ぐいぐいとめりこむように迫ってくるけど、全然嫌な感じがしない。
それにとてもかわいい。
黒目がちな目は水分量が多いのか潤んで見える。
人懐っこそうな笑顔は、なんだか柴犬みたいだ。
ふんわりとゆるくあててあるパーマと栗色の髪の毛がよく似合っていた。
外人の癖っ毛の男の子みたいだ。
年下に見えるけど、いくつなんだろ…?
「松本くんとは面識あるんだよね?」
面識どころか、3発くらいやってるけど…
「じゃあ、大丈夫かな?今日はお料理作って貰うね?」
「料理…」
「お料理できる?あ、でも心配しなくて大丈夫。松本くん、超うまいから」
セックスもだいぶうまかったですけど…
「そっか、料理も上手なんだ…」
「料理”も”?」
「え?」
「ははあ…松本くんのお味見はもう済んでるってことね?」