第22章 BOY【S side】 EP.1
「…未成年は…使えないなあ…」
「はあ?なに綺麗事言ってんだよ?」
大野社長は、顔を曇らせて俺を見上げた。
「君の夢、潰しちゃうもん…」
何言ってんだこいつ…
「ある程度おとなになったらね、割り切りってものができるからいいんだけど…」
「割り切ってるよ。俺、顔出してもいいから。で?一本いくら?ホンバンありでもいいよ?」
「櫻井くん…」
「金が必要なんだよ。俺、親がいねーの。成年後見人の親戚に、親の死亡保険金も持ち逃げされちゃってねーの。だから、妹と弟を働いて養ってやんなきゃいけないの。夢なんか持ってないの。だから、いいでしょ?使ってよ」
ふうっと大野社長はため息を付いた。
「だめだね…夢がないんじゃ…」
「はあ?」
「櫻井くん…僕のビデオに出る人は、しあわせなひとがいいんだ。だから、ごめんね…?」
何言ってんだ…コイツ…
「でも…お金が必要なんだね?櫻井くんは」
「あ?そう言っただろ」
なんだかわからないけど、こいつは腹が立つ。
言ってることが全部あまちゃんで…ふわふわしてて…
「…わかった…じゃあ、試しに一本撮ってみようか…」
顎に手を当てながら、大野社長は相葉さんを見上げた。
「いいでしょ?雅紀」