第22章 BOY【S side】 EP.1
俺は物心ついた頃から男が好きで…
だから、この世界に入るときも躊躇はなかった。
出会いの場がなかった俺には、むしろ恋人に出会える仕事かも…なんて夢みたいなこと思ってた。
でも現実は違う―――
所詮俺らは商品で。
金を払ってるから好きにしていい存在で。
オナホと一緒だ。
一晩ン万円の高級オナホだ。
中には首締めてくるやつだって居る。
殴ってくるやつも居る。
嫌だって言ってるのに、薬飲まされたこともある。
ケツの穴が切れて血が出るまで突かれたことだってある。
足の指を舐めさせられたことだってある。
夢なんて…見るもんじゃない
「だからね…僕は、この夢を一緒に作ってくれる人を探してるんだ。櫻井くん…君はその…」
何言ってんだこのボンボン…
きっと働かなくてもいいってのは、親が金持ちなんだろ?
ばかじゃねえの
「もうすぐ18歳になるから、20歳ってことにしとけば問題ないでしょ?」
「え?君…まだ17歳なの?」
「悪ぃかよ」
「ちょっと待って…店からは20歳って聞いてるけど」
「そんなことどうでもいいでしょ?で?1本いくらなの?」
「櫻井くん、学校は?」
「あ?そんなもん、いけるわけねえだろ?俺、弟と妹養ってんだよ」