第22章 BOY【S side】 EP.1
大きな部屋の半分はリビング、半分はキッチン。
リビングダイニングになっている。
そのダイニング部分やこのリビングはとっても高級そうな家具がおいてあった。
俺の座ってるソファも、ふかふか…
「びっくりした?ここね。社長の趣味でやってるの。だから、普通の制作会社とはちょっと違うと思ってね?」
そう言ってその人は名刺を差し出した。
「僕、アテナの相葉っていいます。よろしくね」
相葉さんは副社長という肩書だった。
「あの…社長さんは…?」
「ん?あれ?」
きょろきょろと周りを見渡して、ため息を付いた。
「もお…また寝てる…」
そう言ってソファの後ろに立った。
「しゃちょお!櫻井くん来たってば!」
「ふぁっ!?」
ソファの影から男の人が飛び起きてきた。
「わわっ…いつの間にか寝ちゃった…ごめん!雅紀!」
「もお、いい加減にしてよね…?」
床で寝るなんて…死体かよ…
社長は俺の顔をみると、ちょっと目を見開いた。
それからにっこり微笑んで、俺に手を差し出してきた。
「俺、アテナの社長の大野っていいます。今日は来てくれてありがとう」
俺の手を取ると、無理やり握手して向かいに腰掛けた。
「じゃあ早速なんだけどさ、話聞いてもらえる?」