第3章 車の中でかくれてキスをしよう
時に、朝、目覚めるとニノが俺に抱きついてて。
なんだかそのぬくもりが愛おしく感じたりして…
男相手になにやってんだって思うんだけど、そっと眠ってるニノの背中に腕を回して抱きしめたり…
華奢な身体は、俺の腕にすっぽりと収まってしまう。
ふわふわとニノの髪に顔を埋めながら、なんだか幸せを感じてしまったりもした。
ニノもニノで…そんな状態で目が覚めても嫌がるでもなく。
むしろぎゅうっと俺に抱きついて離れない。
そのままオフの時は一日の大半を過ごすこともあった。
ニノの不機嫌が直るまで、結構長くそんな日々は続いた。
だんだんニノは立ち直っていくと、俺の家にくる回数も減っていった。
そして、今まで俺の家にはほとんど来なくなっていたのに…
「どういう風の吹き回し?」
「え?なにが?」
「またなんかあったの?俺んちに来るって…」
「ん…ふふ…」
ニノは笑うと、助手席から俺の方を向いた。
「なにもないと、遊びに行っちゃ行けないの?」
いつまで経っても年を取らない…
永遠の17歳とはよく言ったもので。
最近ちょっと肉がついてきたけど、それでもやっぱりニノは変わっていない。
「そんなことないけどさ…急だったから」