第3章 車の中でかくれてキスをしよう
ニノと湯船に浸かりながら、でも何もいうこともできず。
ただ黙って俺たちは風呂に入ってた。
身体についた塩素を流すように髪まで浸かっていると、ニノは肩まで浸かっていないのが見えて。
「オイ。冷えてるんだから…」
そう言ってぐいっと肩を押したら、ニノは俺に抱きついてきた。
「えっ…ちょっと…」
ぎゅううっと抱きつかれて、どうにも身動きが取れない。
「…もう…好きにしろよ…」
広い風呂で良かった…
嵐が売れて、コンサートで泊まる部屋もだんだんランクアップしてる。
今日は今までで一番広い風呂だった。
しばらくその体勢でいると、またニノのすすり泣く声が聞こえてきて…
ぽんぽんと背中を叩いていると、だんだんその声も大きくなってきて。
子供みたいに泣いてるニノの髪をずっと撫でていた。
泣き声が小さくなっていく頃、急にニノの体重がずしっとのしかかってきた。
「えっ…まさか…」
顔を見たら、熟睡してた…
そんなことがあってから、ニノは俺の家によく遊びにくるようになった。
泊まりでくることもあった。
その時は、なぜか俺はニノに腕枕してやって寝てた。
なんでそうなったのかわからないけど…いつの間にかそうなってたんだ。