第20章 Eternal YOU~白光
「大野様…なにかお召しになってください…」
ギシリとベッドのスプリングが鳴って、俺の背中が温かいものに包まれた。
「優しくするな…俺はお前を…」
「いいえ…いいえ…大野様、いいのです…」
「櫻井…」
「あなたと私は…同類なのですから」
ぎゅっと、その腕に抱かれていると、罪が消えていくような気がした。
だけど…この腕は、和也のものであったのだ。
「すまなかった…俺は…なんてことを…」
詫びるしかなかった。
櫻井に…和也に…
「いいえ…いいえ…」
櫻井の腕は温かい…
「私たちは…失ったものが大きすぎたのです…」
櫻井の声は優しい…
「櫻井…」
振り返ると、綺麗な涙を流した櫻井は…
微笑んでいた
「大野様…」
そっとマットレスに寝かされると、櫻井が覆いかぶさってきた。
「あの本に…なんと書いてありましたか…」
「…え…?」
「和也様は…あなたに何を…」
「櫻井…」
「さあ…言いなさい…」
その瞳には、冷たい光が浮かんだ。
櫻井は枕の傍に落ちていた眼鏡をかけた。
「よく、見えますよ…智様…」
微笑んで、俺の頬を櫻井の冷たい手が包んだ。