第20章 Eternal YOU~白光
「大野様、本日はお泊りになってください」
「え?」
「主人よりそう言い付かって居りますので、ご遠慮なく…」
「そう…じゃあ、そうさせてもらおうかな…」
「では、寝室のご用意をさせていただきますので…その間に大野様はご入浴を…」
「ああ、ありがとう…」
浴室の準備をして大野様がバスルームに入ると、寝室の準備をした。
リビングに戻ると、大野様の制服のジャケットがソファに掛かっていた。
手に取ると寝室へ入り、ハンガーに掛けてフックへ通した。
バスルームへ行くと、シャツと下着をクリーニングに回す。
朝までには仕上がってくるだろう。
パジャマとガウンを用意していると、大野様がもう上がってこられた。
「櫻井…」
「あ、申し訳ございません。お着替えをここに」
「ああ…ありがとう」
バスローブ越しにもわかる…和也様とは対照的な、浅黒く引き締まった肢体。
若さが眩しくて、すぐに目を逸らしてバスルームを出ようとしたその時、腕を掴まれた。
「大野様…?」
「頼みがある…」
「なんでございましょう…」
「本を…貸して欲しい」
「…なんの、本でございましょう」
嫌な予感がしていた。
まさか…あの本のことを…?