• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第20章 Eternal YOU~白光


スープとサンドイッチ、そして和也様のお好きだったジョルジの茶葉を用意する。

サーブは私一人をご希望されたので、ワゴンに乗せて客間に戻った。

「大変お待たせをしました」
「いや…食事まで、申し訳ない」

ソファの前にある、大理石のローテーブルに食事を並べる。

「どうぞ、お召し上がりを…」

大野様は私を見上げた。

「……?」
「ありがとう、櫻井…さん」
「どうぞ、櫻井と呼び捨てに…小さな頃は、そう呼んでいただいておりました」
「ああ…そうだったね…」

湯気の上がるスープを眺めると、一口召し上がった。
私を見上げて微笑まれたので、お口に合ったのだろう。

ゆっくりと食事を済ませると、大野様はまた黙ってしまわれた。

食器を下げ、ジョルジの茶葉をティーポットに用意する。

「小さな頃も…そうやってよく、紅茶を淹れてくれた…」
「左様でございましたね…」

カップに紅茶を注ぐと、芳香が立ち上った。

「お待たせいたしました。ジョルジでございます」
「二宮が…好きだった茶葉だね」
「左様でございます…」

大野様はカップを持つと、窓辺に立たれた。
そのまま庭を眺めておいでだったので、私は食器を下げた。

戻ると、同じ姿勢で庭を眺めたままだった。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp