第20章 Eternal YOU~白光
二宮の思い出話がしたい―――
大野様からそんなお申し出があったのは昨日のことだった。
旦那様からお相手をするよう申し付けられた。
大野様のご尊父は、旦那様の旧友で…
小さな頃は和也様と大野様は交友があったのだが、長じてからは大野様の方から和也様を遠ざけていたような節があった。
現に呼び方も、小さな頃は和也と呼んでいたのに、高校に上がってからは二宮と苗字で呼ぶようになっていた。
屋敷に大野様が訪れたのは夜のことだった。
雨が、降っていた。
車から降りた大野様は、屋敷の入り口を眺め渡すと少し俯いた。
旦那様が出迎えられた。
一通り悔やみの言葉を述べられると、大野様はまた黙ってしまわれた。
「では…櫻井、今日は智くんを頼むよ」
「畏まりました」
「明日は…一日、櫻井にも休暇を与えよう」
「旦那様…!」
「このひと月…よくやってくれた。明日は和也を思い出し、弔ってはくれないか」
「…畏まり、ました…」
一粒種の和也様を亡くされ、旦那様も堪えていらっしゃるはずなのに…
使用人の私にまでこうやって配慮してくださる…
家令の松本さんが、私の肩を一つ叩いていく。
顔を上げると、一つ頷いた。