• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅡ【気象系BL小説】

第3章 車の中でかくれてキスをしよう


ちょっと濡れているタイルの上をそっと歩いて、俺達はベンチに腰掛けた。
そこで海パンに着替えると、ニノはいきなりプールに飛び込んでいった。

「ちょっ…準備体操しろよ!」
「へーきだよ…さっきまで踊ってたんだから」

そう言うとスイスイ泳ぎだした。

「なんだよ…別に俺、入らなくていいじゃんなぁ…」

そのままベンチで座ってると、ニノがまたぶーたれた顔でこっちを見てる。

「はいはい…行きますよ…」

これ見つかったら、ぜってー怒られる…
プールの端っこから、足先からそろそろと温水に入る。
コンサートで踊ってちょっと火照った身体に、低めの温水が気持ちよかった。

「お…意外と…」

非常灯と外からの淡い光だけが差し込む屋内プール。
暗い中はちょっとだけ怖かったけど、でも悪くない。
少しだけニノに近寄って行く。
ニノは水面に浮かんで上を見上げてた。

「何見てんの?」

見上げると、天井は大きなガラスの天窓がついていて。
そこからまんまるの月が見えていた。

「あ…今日満月なんだ…」

俺も浮きながら上を見上げた。
チャプチャプと手を動かして移動しながら、俺達は水面を滑っていく。

月は俺達を静かに照らしてる。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp