第19章 Eternal YOU
そう聞いてきた和也様の頬は紅潮していた。
「…なにを読んでおいでだったのですか…?」
「えっ…いや…」
もぞもぞと足をこすり合わせると、和也様はいきなり冷蔵庫を開けた。
「な、なんか飲もうよ!水でいい?」
そう言って、ペットボトルを私に差し出してきた。
「和也様…?」
「な、何でもないからっ…」
ここからだと、机に伏せてある本はよく見えなかった。
ボトルを受け取らず、ベッドから降りるとデスクに近づこうとした。
「痛っ…」
「翔っ…だめだって!動いちゃ…」
「和也様…何をされていたん…」
支えに来た和也様のズボンが濡れていることに気付いた。
「…和也様、ズボンが濡れています」
「えっ…!?あっ…」
慌てて和也様はズボンの濡れている部分を手で隠してしまった。
「どうされたのです…」
そこは股間だった。
「な。なんでもな…」
蚊の鳴くような小さな声だった。
「和也様…もしかして…」
本棚に唯一おいてある、私の娯楽…
もしかして…
デスクを見ると、千櫻記が見えた。
「あれを読んだのですか!?」
「あっ…ご、ごめんなさい…」
慌てて和也様は頭を下げた。