第18章 【ピックアップありがとう記念】JUN TA-LOW
「あれ。姉様…この者共は?」
屋敷の奥から、もう一羽キジが現れた。
「ああ…マサキ…人の子が、うまいものをくれるというのでな。一晩泊めることになったのじゃ」
「うまいもの?」
「ああ…これは、お世話になります。私は潤太郎といいます。一宿の恩義に、このきびだんごを…」
またしても、潤太郎はお腰につけたきびだんごを差し出した。
「まあっ…これはなんておいしそうな…」
じゅるりと妹のキジ、マサキも舌なめずりをした。
「そうであろう…そうであろう…さ、こちらへ来られよ」
マサキの持つ手燭に導かれて、一行は奥の座敷に入った。
それからキジ姉妹の手による小さな宴が開かれた。
「大したものもございませんが…」
そう言って潤太郎をもてなした。
「いえいえ…こんなことをしてもらっては困ります」
「いいのです…潤太郎殿…」
ショウが潤太郎にしなだれ掛かる。
「しょ、ショウ殿…」
「その…お腰につけたきびだんご…ショウにくださらない?」
「ああ…どうぞ、食べてください」
「姉様、あたくしも…」
「マサキ、いっしょに頂きましょう」
そういうとキジの姉妹は、潤太郎のお腰の真ん中についたきびだんごに貪りついた。