第18章 【ピックアップありがとう記念】JUN TA-LOW
「いいお宿を知っている。ついてきな!」
おさるのオオノはぴょんぴょんと一行の前を行く。
犬のニノミヤが潤太郎を支えながら暫く歩くと、竹やぶの中に大きなお屋敷が現れた。
「おお~い!おお~い!」
オオノが呼びかけると、その大きな門が開いた。
「あれ…このような時刻になにかござりましたのか?」
中から出てきたのは、キジだった。
「おお!ショウ殿!すまぬなあ…この人間を泊めてはくれぬか?世話になったのだ」
「あれ。かわゆい人の子だこと…」
キジは潤太郎の顎を羽ですうっと撫でていった。
「おや、いい匂いがするのう…」
「ああ…もしかしてこれのことか?」
潤太郎は懲りずにお腰につけたきびだんごを差し出した。
「これは私の親代わりの婆様が作ったもので…」
「美味しそう…」
じゅるりとキジのショウは舌なめずりをした。
「ならば泊めていただく御恩に、このきびだんごを進ぜよう」
「まあ…よろしいのでございますか?」
「どうか受け取って欲しい」
キジのショウはケーンと鳴くと、嬉しそうに潤太郎を振り返った。
「ならば屋敷の中でゆっくりといただきましょうぞ…」
ショウに導かれて、一行は屋敷の中に入っていった。