第18章 【ピックアップありがとう記念】JUN TA-LOW
「おおい!そこのお侍!」
突然、頭上から声が聞こえた。
「な、なんだ!?」
「あんた、なんかいい匂いがするな!」
木の上から飛び降りてきたのは、おさるだった。
「おお…猿殿か…私は潤太郎という。いい匂いとはこのことかな?」
潤太郎はお腰につけたきびだんごを見せた。
「おお!これだこれだ!腹が減っていたのだ!」
「そうか…ならば、食べるがよい。私の親代わりの婆様が作ってくれたものだがな…」
「ありがてえ!オイラ、おさるのオオノってんだ!」
おさるのオオノは早速嬉しそうに、後ろに跳ねて回ると潤太郎のお腰につけたきびだんごにかぶりついた。
「あっ…オオノ殿っ…そっちのきびだんご違うっ…」
「こっちのがうまいんだもーん!」
またしても、犬のニノミヤにつづいて、おさるのオオノにもお腰の真ん中についたきびだんごを食べられた。
「あっ…オオノっずるいぞっ!」
そこに犬のニノミヤも加わって、二匹にお腰につけたきびだんごを食べられた潤太郎はぐったりとしてそこから一歩も動くことができなくなった。
「ああ…こいつはまずいことをしちまったなぁ…」
「オオノ、どこか潤太郎殿を寝かせる場所はないか?」