第17章 plum wine
「あーっ!相葉さんっ…コーヒー!」
ニノの声で我に返った雅紀が、慌ててコーヒーを拭いてる。
「やっべ…シミになる…」
慌てて立ちあがって洗面台で上着を洗ってる。
「もードジなんだから…」
ニノが後ろから追いかけていって、手伝ってる。
「あー…えっと…」
リーダーと目が合った。
「おっ…オイラも手伝おっと!」
そう言って慌てて立ちあがって洗面台に行ってしまった。
マネージャーたちもなんだかバタバタと動き始めて、俺達はそのまま取り残された。
誰も、翔くんのこの行動にツッコミを入れてこない。
あまりにも翔くんが頑なだからだろうか…
「ね、翔くん…」
「なんだよ…」
今度はものすごく機嫌が悪そうになった。
「どうしちゃったの…?こんなことして…」
「別に…なんでもないもん」
ないもんって言ったって…
そんなに口尖らせて…
なんてかわいいんだ…
そっと耳に口を寄せた。
「なんか、して欲しいの…?」
「ばっ…ばかっ…」
また真っ赤になって新聞で顔を隠した。
「そんなこと言ったってさ…この姿勢、説得力ないよ?」
ぐいっと腰を引き寄せると、よろけて俺の胸に飛び込んできた。