第16章 ふたりでひとつ
和の横に座ると、せーので火を吹き消した。
「結婚3周年、おめでとう」
「おめでとう」
二人で頭を下げあった。
「ふふ…なんかこんなにゆっくり祝うことなかったから、くすぐったいね」
「だなぁ…この時期はいつも忙しいからなぁ…」
コンサートツアー関連で、この時期はいつも俺が忙しくて…
ってこんな時期に結婚するなって話だけどさ。
でも…どうしても和が俺のものだって皆に言いたくて…
ライバルは多いからね。
この子は…魔性の男だから…
3年前、強引に結婚した。
別に書類なんてどうでもいい。
貰ってきた婚姻届に二人で記入して。
メンバーに立会人になってもらって、教会で簡単な式をあげたんだ。
それが、3年前の今日だった。
それからずっと俺の家で二人で暮らしてる。
「これからも…俺だけの和で居てね?」
「んふふ…もちろん」
ちゅっと俺のほっぺにキスをしてくれた。
柔らかい唇が気持ちいい。
「ケーキ、食べよ?」
「おう」
フォークを持ってきてくれて、二人でつつく。
小さいからすぐ完食した。
「じゃあ俺、お風呂の準備してくるわ」
「はあい」
ケーキの箱を持ちながら、奥さんはものすごくかわいい笑顔を見せた。