第15章 【ピックアップありがとう記念】ZIP♡
楽屋にもつれ込む様に入ると、潤くんはやっと俺を離してくれた。
「なーにが安牌だよ…嵐イチ、俺はおまえの顔が好きだよ」
ずっきゅーんっ…
んなっ…なんてことっ…
と、思っていたらいきなり視界が暗くなった。
「んがっ!?」
誰かに思いっきり顔に腕をキメられてる。
「ふがあっ…!?」
この香水…ああ…
「翔ちゃんっ!?どうしたのっ!?」
相葉さんの慌てた声が聞こえる。
「ああ…?ニノ…そおんなに嬉しかったのかよ…」
翔ちゃんのひっくい声が聴こえる。
「えぇ…ちょっつ…もがっ…離し…もがっ…」
「あんなニヤけやがって…あー?そんなに嬉しいの?」
「や。やめふえ…」
じりじりと腕が顔にめり込む。
だめだ…相当怒ってる…
だから素直に喜べなかったんだよなあ…
「ニノ…潤に褒められてそんなに嬉しかったのかよ」
「もがぁ…」
「翔ちゃん!ちょっと止めなよお…」
「どうしたの?急に…」
大野さんと相葉さんの声は聴こえるけど、今度は潤の声だけ聞こえない。
なんとか腕をずらして前を見たら、にやにやしてる潤が目に入った。
ちょお…
もしかして俺、噛ませ犬かよっ…
「や、やめてぇぇぇ…」