第15章 【ピックアップありがとう記念】ZIP♡
「あーい、お疲れ様でしたあっ」
「お疲れ様でした~!」
お疲れ様でしたーとスタジオに挨拶が飛び交う中、俺達は楽屋に戻った。
マネージャー達は制作さんたちと打ち合わせがあるとかで、誰もこない。
俺達だけで楽屋に向かう。
相葉さんと大野さんはにこにこしながら歩いてるけど…
その後ろから、不穏な空気を出して歩いてくる男がいる。
やべ…触らぬなんとやらに祟りなし…
「じゅっ…潤くんっ…」
前方を歩いてる潤くんに追いつくと、背中に視線を感じながら喋りだす。
「も、もう…いきなり安牌の俺、選ばないでよ…」
「え?なに言ってんだよ?前から言ってるだろ?俺はおまえの輪郭が好きなの」
「い、いやでも…」
「なんだよ忘れちゃったの?前にフジの福嵐でも言ったじゃん?」
「いや、覚えてるけどさあ…」
そう言ってると潤くんはふふっと笑って、俺に抱きついてきた。
「わああっ…やめろっ…」
「ほら…この顎のライン…ほんと好き」
歩きながらもがいて逃げようとするけど、がっちり抱きつかれて逃げられない。
相葉さんと大野さんの笑い声が聴こえる。
でも…
あの人の笑い声だけはとうとう聴こえてこなかった。