第14章 Happy Birthday…JUN
「えっ…いいよ…俺、これだけで嬉しい…」
「まあまあ…物じゃないから…ね?」
リーダーは言いながら立ちあがった。
「え…?物じゃないって…?」
「それでは皆さん、お手を拝借…」
そう言うと、皆立ちあがった。
パパンパンっ…
いきなり手を叩きだした。
「いちにーさんっはいっ…」
あの曲が始まるのかとおもいきや…
始まったのは、ニノの作ってくれたあの曲。
俺が20歳の誕生日を迎えた時の。
歌詞はほとんど全面リニューアルされてて、今の俺の歌になってた。
ニノが指揮をして、酔っ払った皆がユラユラ揺れながら歌ってる。
夜中なのに…大きな口開けて、ばかみたいに笑って…
不意に涙が浮かんだ。
「えっ…松潤!?」
相葉さんの慌てた声が聞こえた。
「どうしたの!?」
「大丈夫?酔っ払ったの?」
「ちょ、ちょ、どうしたんだよ!?」
皆、駆け寄って来て俺を取り囲んだ。
翔くんがそっと俺の涙をタオルで拭っていく。
「なんでもない…」
そう言って皆の顔を見渡した。
「…ありがとう…皆…」
ひとりひとり、手を握った。
「ニノ…ありがとう…」
「リーダー…ありがとう…」
「翔くん…ありがとう…」
「相葉さん…ありがとう…」
ひとりひとり、お礼を言った。