第14章 Happy Birthday…JUN
俺達は俺達なんだから、勝手にすればいいと事情を知らない友達は言う。
だけどさ、そんなもんじゃない。
帝国と言われる事務所で、一番前を走ってきた人たち。
事務所どころじゃない。
芸能界の一番前を走ってた。
俺だって、嵐の皆だって憧れてこの事務所に入ったんだ。
一時代どころじゃない。
あの人達は、平成の芸能史に確実に大きな足跡を残した。
なんにも知らない人は…たかがそんなことって思うだろう。
そうだよ。
大きな目で見たら、たかがアイドルの一グループのことで、俺たち嵐にはなんの関係もない。
俺達はただ、最高のパフォーマンスを続けていればいい。
俺達のファンは、そう望んでいるだろう。
俺もそう思うし、事実そうしていくしかないと思う。
そう、やっていくしかないんだ。
前を向いて、進んでいくしかないんだ。
でもね…
それだけなんだろうか。
俺達は、それでいいんだろうか。
事務所の内紛、嫌がらせだってたくさんある。
飛び火して、俺達まで叩かれ始めてる。
大きな波が来てる気がする。
ここをどう乗り越えていくか…
それで今後の俺達が変わる気がする。
歯を食いしばって、波に飲まれないようそこに立っていられるか。
目を瞠って、そこでなにが起こるか正面から見ていることができるんだろうか。
そんなことを考えながら、いつの間にかソファで眠ってしまっていた。