第1章 ずっと見てた【一松】
【一松side】
一松「‥で?なんでそんなんしようとしてたわけ?」
コンビニのバックルーム、今俺の目の前には1人の女がいる。
「いや‥私はなにもしてないんですけど‥。」
黒のスーツ姿の女は酷く強張った表情で座っていた。
一松「いや、俺全部見てたから。あんたが商品パクってる所。」
‥そう。目の前にいる女は商品を万引きしようとしていた女だった。
幸い店に出る前に捕まえたから取られずに済んで今このバックルームにいる。
「あの‥だから私は取ってないんですって!」
一松「へぇ‥まだそんな嘘がつけるわけ?じゃあとりあえず持ち物とか調べさせてもらうから。」
そう言って女の鞄をひっくり返し、中身を確認した。
財布、スマホ、化粧道具、手帳、タオル、仕事関係のものらしいファイル
‥鞄の中にはないようだが財布を開け、身分証を見つけた。
一松「ふーん、名前◯◯っていうんだ。あ、一応身分証はコピーさせてもらうから。」
自分のスマホで身分証を撮影し、財布に戻してから返した。
女は相変わらず口を開くわけでもなく黙り込み、ばら撒かれた荷物を鞄の中に戻していた。
一松「鞄にないって事はポケットとかに隠してんの?全部見せてもらうから。」
俺はニヤっと怪しく笑みを浮かべながら近づいていった。