第2章 入学し・・・・・・き?
私立夢ノ咲学院。
男性アイドルの育成に特化してて、数多のスターを芸能界と言う名の荒波へと排出してる。
デビューはしたけど活動休止なうなアイドル、プロとして活動なうなアイドル。そして輝かしいデビューを目指すアイドルの卵達が在籍している。
数日前に初対面を果たしたさがみん先生(フツーに呼んでもあれだしね)は、夢ノ咲学院のOB。卒業生だ。
オカン曰く「全盛期はとにかくヤバかったわよ~。色々と」らしい。
そんな夢ノ咲学院に、私─朴槻セツナはめでたく入学したのだ。
『(男装ってオプション付きで、だけどね・・・。
つーか、やっぱ広いなあ)』
校門を抜けて、校舎へと続く道を歩く。
いくらか距離はある。
大体・・・100mくらい?(多分)
桜の花びらがヒラヒラ落ちる中で、私は周りの男子生徒達を眺めた。
アイドル科ならではと言うかなんと言うか、イケメンだ。きゃつら、イケメンを標準装備しておるぞ。
でもそんな彼らと、私の服装は大して変わらない。
昨日届いた、男子制服。
青空みたいな青色。袖と襟に白いライン。
黄土色っぽいボタンは胸と両袖口に2つずつ。
左胸には校章。学校のイニシャルだろうYとS。
黒チェックのズボン。
何人か中にパーカーを着てたりカーディガン(セーター?)を着てたりするところを見ると、別に制服の中に何かを着込むのは大丈夫っぽい。
『(・・・今のところ男装はバレてない、と)』
ウィッグでも着けようか迷ったけど、勘のいい人はすぐに見抜く。
男子と言っても長髪も居るんだろうし、私は肩より少し長い白髪を後ろに一つ結にした。前髪は軽く流した。
・・・一応言っておくけど、しらがじゃなくてはくはつ。