第1章 始まり
私は言葉が出なかった。
さっきまで教室にいたのに唐突すぎる。
「みなさんには、しばらくこの島で生活してもらいまちゅ!でちゅが、もちろん安心してくだちゃい。この島には危険も、血なまぐさいこともまったくありまちぇん!ただ、みなちゃんで仲良く暮らしてもらいまちゅ!」
…は?
何なんですか、この状況。
私は、希望ヶ峰学園に入学するためにここにきたのに。
何で?
意味がわからない。
呆然とする私達をおいて、ウサミは明るくしゃべり続ける。
ツンツンヘアーくんなんかは、砂浜にしゃがみこんでいた。
彼は光のない目に青い顔で、ブツブツ何かを呟いていた。
「それではみなちゃん、ドッキドキ修学旅行が始まりまーちゅ!」
その一言が終わると、ツンツンヘアーくんは砂浜に倒れ込んでいた。
私はビックリして彼のところにしゃがみこんだ。
「やだ、大丈夫ですか?」
「ありゃりゃ、ちょっと疲れちゃったみたいでちゅね。少し休ませてあげまちょうか」
「……」
倒れ込んだツンツンヘアーくんは、真っ青な顔で苦しそうな顔をしていた。
私も思わず、下唇を噛んだ。
どうなってるの?
「だ、大丈夫ですよ。きっとわけわからないことばかりで脳と体が耐えられなかったんだと思いますう。少し休めばすぐ回復するはずですから」
「…そう?ありがとうございます…」
「ひゃあっ!わっ私なんかがお役にたてて良かったです…!」