第13章 聖なる夜に
「ナナミ!今日終わったら、出掛けない?」
「あ、ハルカ。声大きい、って…」
今日は終業式。
毎回、校長先生の話は長い。
~伝統ある女子高だから、
品格をもって、冬休みを過ごすように。~
校長先生のいつもの言葉。
本当なら、終業式が終わったら、
ユウスケの元に行くつもりだった。
ケンカをして2週間。
離れているし、元々、一緒にいなかったし、
2週間なんて、あっと言う間なんだけど。
ユウスケは、何回か、電話をくれた。
でも、どうにも出る気になれなかった。
「僕のそばにいて欲しい。」
そんな風に言って欲しかっただけ。
大学には行った方がいいのはわかる。
田舎のおばあちゃんが一人でいるから、
心配だから、私が田舎に戻る。
東京に残るお父さんも心配だけど。
お父さんが提案してくれた。
「母さんの代わりに、おばあちゃんをよろしくな。」
おばあちゃんは、ママのお母さんだけど、
パパの方のおじいちゃん、おばあちゃんは
亡くなってしまったから、田舎のおばあちゃんが、本当のお母さんのように思っている、って。
「ユウスケ君とも、近くなるだろ。東京にいるよりは、近くにいた方がいい。」
パパの眼が優しく笑った。
近くにいた方がいい。
パパは、ママの事を思っているのかな。
パパを置いて行くのも、つらい…。
「ハルカ、いいよ、出掛けよ。プレゼント買うの、付き合って!」
パパに、ネクタイを選んであげよう。
「早く終業式終わらないかなぁ~」
ハルカを始め、周りの子達も
明日のクリスマスを思い、
ソワソワしている。