第12章 初雪
「私もユウスケが好きだった。」
カナが、僕を強く見つめた。
「え…」
僕は、一瞬戸惑った。
「守山先生の事に区切りをつけて、ユウスケの気持ちに応えよう、と思ったよ。でもさ…」
「最近のユウスケは、今までの、私の知っているユウスケじゃない。今までの中でも一番カッコいいんだよ。」
え、ちょっと待って。
僕は、頬が熱くなってきた。
「カ、カナ、ちょっと。」
「ナナミが、ユウスケを変えたんだよ。
私には、無理だ。」
カナは、首を振った。
「…ナナミはさ。僕と真逆だよ。中学の頃はさ、面倒に思ったけど、今は、側にいないけど、いつも側にいるんだよ。」
カナは、頷く。
「そう。私には、出来ない事だよ。」
「でも、やっぱり守山先生がいいんだよね。私。」
パッと顔を上げ、
「ユウスケを諦めて、やっぱり守山先生、じゃないんだからね。」
「わかるよ。守山先生も、カナと別れるつもりない、ってよ。」
カナは、嬉しそうに笑った。
あぁ、僕も
カナをこんな笑顔には
してあげられないなぁ。
「守山先生の地元の大学行くんでしょ?」
隣県だけど、通うには、少し遠い。
「うん。一応、一人暮らしするよ。」
でも、守山先生の実家が近いから、
安心なんだ、と笑っていた。
「ナナミも、こっちに戻ってくるんでしょ?」
「うん。大学、こっち受けるって。落ちても帰って来る、ってさ。」
「あの子も逞しいね。」
カナは笑っていた。
「遅くなっちゃったね。」
「本屋は明日にするよ。」
じゃあ、と、僕は、
自転車に乗ろうとした。
「ユウスケ!」
振り向くと、カナが
「私達、お互いにがんばろうね!!」
僕は頷き、軽く手を振り、
自転車に乗った。
雪はどんどん降って来た。
無性に、ナナミに会いたくなった。