第12章 初雪
「僕は、ナナミが好きだ。」
カナの顔をまっすぐ見た。
「でもさ。」
全て伝えてしまおう。
今まで言えなかった事を。
「僕は、ずっとカナが好きだったよ。中学からずっと。」
カナは、僕を見つめたままだ。
「でも、どうしても伝えられなかった。いや…伝えようとしなかったんだ。」
初めて手繋ぎ、一緒に花火を見た
中学最後の夏。
高校が一緒になり、
最後の年に同じクラスになった事。
僕が落ち込んだ時に
側で心配してくれた事。
カナが守山先生が好きで、
卒業したら、守山先生のところに
行く、という事。
「僕は、ただ、遠くから、見ていただけだったよ。」
「ユウスケは、周りを観察してるようで、本当、あんまり見えてないよね。」
以前、電話で、
ナナミが、言っていた。
「ユウスケの周りには、ユウスケが知らないだけで、たくさん大切な事あるんだからね。」
漫画にしても部活にしても
周りを見渡せば、
たくさんの想いがある。
「僕は、自分から、周りを見ようとしなかった。カナだけを見ていたハズなのに、何にも知らなかったんだよ。」
僕は、カナを見つめた。
カナは、ただ、僕を見つめ、黙っている。
「あの時の僕は、カナに、大丈夫だよ、と声を掛ける事も出来なかったよ。」
全く頼りないよな。
「ユウスケ…」
「私ね…。ユウスケの気持ちに応えたいと思ってたんだよ。」
え…?
頬にあたる雪が大きくなってきた。